2017.7.5時流に乗る

2017.7.5  時流に乗る

 最近、週刊誌の車内広告で「誤嚥性肺炎を防ぐ完全ガイド」や「睡眠障害完全克服ガイド」の大見出しを見て、私も時流に乗っていると確信した。これに「ぼけ(認知症)」を加えれば年寄りの三題噺が完全になる。

 新聞の死亡欄で高齢者の死因を見ると「誤嚥性肺炎」と書かれていることが多い。誤嚥から肺炎になった親戚を見舞った時、口の周りが血だらけになっている。看護士に聞くと「誤嚥した異物を吸引するのに器具を入れたからです」という。口の中に掃除機のホースを突っ込まれたら大変だ。

 週刊誌に誤嚥を防ぐための口や喉の筋トレが書かれている。普段からよくおしゃべりをしたり、カラオケで喉を鍛えるのが有効らしい。家人に聞くと女性は「おしゃべり」するから男性よりは喉が鍛えられているという。年寄りの誤嚥の男女比率を調べて見たら意外な結果が出るかもしれない。

 睡眠障害について。私は夜十時に就寝するが、夜中二時半に「こむら返り」で目が覚めてしまう。そのあと朝五時までウトウトして慢性的な睡眠不足であると思っていたが、週刊誌には「5時間寝れば十分だ。昼食後に少し午睡を取れば良い」と書かれている。この「5時間」の言葉が「眠れない眠れない、慢性的な睡眠不足だという強迫観念」の呪縛を解いてくれた。週刊誌も役立つ時がある。

 最後の「ぼけ」は仕方がない。むしろ「ぼけ」は、世事の煩わしさと死に対する恐怖を軽減してくれる。年寄りにとって「ぼけ」は大歓迎である。

 私も「誤嚥」「睡眠障害」「ぼけ」の高齢者の三種の神器を持って、八十路を「よだれかけ」をして歩いていく。2017