298円の値札

 スーパーに買い物に行くと、298円とか399円との値札をよく見かける。この値決めは298円と値札をつければ、消費者は200円台で安いと感じる。この心理をついて、実際は300円の品を売るテクニックだと思い込んでいた。

 日経新聞の戦略思考トーレーニングの「問題」で、「アメリカでなぜ3ドルの商品の値札が2ドル99セントとなっているか」の設問に対しての答えを見て「目から鱗」の感があったので回答の要約を紹介したい。

 19世紀末アメリカでレジが発明された。お店のオーナーは1日中お店にいなくても自動的にその日の売り上げがいくらかがわかるようになった。レジの発明をきっかけに、お店を店員に任せるオーナーが増えた。ところが、レジには一つだけ弱点がある。店員が売り上げをレジに打ち込まずにポケットに入れてしまってもお店にはそれを把握できない。そこで商品の価格を3ドルではなく2ドル99セントにする方法が考えられた。この値づけなら1セントおつりが必要になる。おつりを渡すためにレジを開ける必要があるので、店員が自分で売り上げをポケットに入れるのが少しだけど難しくなった。これが真相であるという。

 中国へ進出した日本の化粧品メーカーが思わぬ万引きの増加に困った話。慢性的な万引きに悩んだ経営者が、「万引きが減少したら報奨金を出す」と説明したところ、かえって万引きが増加した。万引きという行為が従業員の共通の認識になったことで、従業員全員が万引きされた商品がネットのオークションで高値で売買されていることを知った。その結果、従業員と万引きが結託して、万引きを見逃す代わりにリベートをもらう枠組みができた結果であるという。

 従業員の不正は万国共通の問題ではあるが、世界の超大国アメリカと中国のケースは、アメリカのコソ泥と中国の組織犯罪との違いはあるが、どちらも我々日本人の道徳観を超えたところにある。

 スーパーの値札の付け方からその起源を知ることができ、その延長線で中国の人民の思考形態まで考えることができた。これもやはりネット検索のお陰である。