平安時代

平安時代

 子供の頃、元旦の恒例行事が終わった後、親父が読み手で「百人一首」のかるたとりをした。定番は小倉百人一首鎌倉時代藤原定家が編纂したものである。しかしその収録された歌の大半は平安時代歌人が読んだものだ。

 平安時代は西暦784年桓武天皇長岡京から後白河天皇没後、西暦1192年鎌倉幕府開府までの408年間続いた。400年も平和で続いた時代は世界歴史上最長である。

まさしく名の通り平穏で安定した世である。

 天智天皇天武天皇そして持統天皇から桓武天皇に引き継がれ、今の天皇制につながる基盤が出来上がった時代である。平安時代には901年の菅原道眞が太宰府に左遷された事件、935年の平将門の乱、1155年の保元の乱以外大きな混乱もなく、平清盛の没後、源頼朝鎌倉幕府へと引き継がれた。

 平安時代は絢爛たる文化が花開いた。790年大伴家持が「万葉集」編纂、清少納言の「枕草子」、紫式部の「源氏物語西行の「山家集」、「伊勢物語」「竹取物語」「更級日記」「梁塵秘抄」本当に絢爛豪華なものである。

 宗教では空海真言宗が突出している。平安末期に生まれた法然の浄土宗、親鸞浄土真宗がある。

 日本史上、平安時代に続いて長期に安定した時代は江戸時代である。1615年から1868年まで約250年間。その間には由井正雪事件以外は平穏であった。天保や天明飢饉もあったが文化の花が開いた。

 武士道で日本人の精神構造に芯を入れた。また二宮金次郎篤農思想は庶民に勤勉という行動規範を教えた。日本独自の文化では、科学の分野で関孝和和算伊能忠敬の日本地図の完成が特筆される。

 文化では、近松門左衛門浄瑠璃、歌舞伎、俳句、川柳そして浮世絵がある。中でも世界の絵画界に強烈な影響を与えたのは葛飾北斎の浮世絵である。19世紀前半の西欧でゴッホ・モネ・ゴーギャン印象派に与えた衝撃は強烈である。

 平安時代の400年、江戸時代の250年の平和な時代を考察すると人類の進歩には平和な時代が不可欠であることがわかる。戦争は技術革新を生み出すが、文化は生み出さない。人間性の向上には平和が絶対に必要であると確信できるのではないか。