お染風邪・お七風邪

 お染風邪・お七風邪

新春から二度インフルエンザに罹った。一月にはB型、二月にA型である。この20年来、夫婦共にインフルエンザに罹ったことがない。80歳にもなれば若い頃からいろんな流感に罹って免疫があるから予防注射の必要もないと、高をくくっていたが、A型やB型などは昔の流感とは違って新型なのかもしれない。

 一昔前は「インフルエンザ」と言わず「流感」と言っていたように思う。有名なのは「香港風邪」「スペイン風邪」など他国のせいにする命名が多かったが。坪内捻典さんの随筆に「流感以前には、お七風邪、お染風邪など女性の名がついていた」。とあった。

 江戸時代風邪が流行ると玄関先に「久松留守」と半紙に書いて貼ったという。今のようにインフルエンザの特効薬の「タミフル」「イナビル」がなかった時代、庶民の悲しくそしてユーモアのある抵抗に和みを感じるが、お七風邪やお染風邪は体力のない年寄りには死病であった。

 今は肺炎の予防注射、流感の予防注射があり、罹患してもよほどのことがない限り死につながることはない。平均寿命が伸びるはずである。

 話は変わるが私は今、高校の傘寿記念同窓会の出欠返信に傘寿になった思いを50字で書いてもらい「傘寿記念一言集」として皆様に配る準備をしている。卒業生450名中で亡くなられた方約100名、音信不通の方が約50名で残り300人名その内150名が傘寿になった思いを書いてくれた。すごい割合だと改めて驚いている。

 皆様元気で年相応の人生を楽しんでおられる。60代から三回のガンの手術を繰り返した人も「90才まで頑張るぞ」

80才を記念に終の棲家を作っている人、俳句を楽しんでいる人、コーラスを楽しんでいる人、「日本の科学研究の失速を食い止めるための会」を各界の有識者を結集して立ち上げた人。皆様の50字に凝縮された文章に人生の年輪を感じ、教養を感じた。やはり「年はただ取らぬ」と思った。今回返信してくれた同期生には認知症の片鱗もない。立派なものだ。

 これからは医学の進歩が一段と進み、よほどのことがないかぎり、なかなか死ねない。ただ恐ろしいのは「認知症」である。80才になった同期生の合言葉は「認知症」にならずに頑張ろうである。

 私の今年の夢は「認知症予防注射」の開発である。