重老齢社会

日経新聞の(電子版)で「重老齢社会」の記事を読んだ。「超高齢者社会」という言葉は今までも良く見聞きしたが、「重老齢社会」という言葉は寡聞にして初めて知った。

 この3月の時点で後期高齢者が前期高齢者を上回った。前期高齢者と後期高齢者と合わせると三千五百万人となる。世界保険機構(WHO)は、人口の7%超は「高齢化社会」、14%超で「高齢社会」、21%超を「超高齢社会」と定義されている。その中で日本の高齢者率27%はずば抜けている。近い将来には、75歳以上が過半数になる。

 今までは少子高齢化問題として、将来一人の高齢者を何人の現役が支えるかが議論されていた。しかしこの記事を読んで問題は他にもあることを知った。

要介護の比率が後期高齢者になると23%となり、老々介護の問題、そして空き家の増大も深刻化する。それと一番気になるのは個人消費の約半分を60歳以上の高齢者が占めていることである。

 最近旅行会社のターゲットは資産を持った後期高齢者である。JR九州の「ななつ星」の値段を見れば一泊二日で20万円から60万円ぐらい、三泊四日で高いのは130万円ぐらい。その高額旅行でも申し込み殺到、何ヶ月も待たねばならぬ。いかに高齢者がお金を持っているかがわかる。若い者から見れば「ふざけるな」であろう。

 ところが今旅行をしている高齢者もいずれ認知症にかかれば、旅行はもちろんできなくなるが、問題は自分の資産の管理ができなくなること。日銀でも「最大の有価証券の保有者は年金基金ではなく、認知症の人が最大の保有者になる可能性がある」と指摘している。

 ある調査機関の研究によると、認知症の人は60代後半で60代後半では約2%、70代前半で約5%、70代後半では約10%ぐらいになる。株式などの有価証券の多くは70才以上が保有しており、その持ち主が認知症などになれば運用が凍結される可能性が高いと報告している。

 みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストは「2035年には最大150兆円の有価証券を認知症高齢者が保有している可能性がある。生きたお金が回らなくなれば金融面からも成長が止まる」と指摘している。

 私はまさしくこの真っ只中の重老齢者である。これからの五年間。高齢者の生き方のモルモットになろう。