半端ない

 

 傘寿を過ぎた人から「ググる」って知っているかと聞かれ驚いた。調べ物するのに「グーグル」で検索することをいうらしい。新語かな?。会話をしていて、お互い「え」と思ったことがあれば、すぐにスマホで調べることが多い。そして情報を確認しながら会話が続く。

 最近グーグルで検索すると、広告が最初に検索され、必要な情報にたどり着くのに時間がかかる。たとえは「上高地帝国ホテル」を検索すると、ヒットする上位には「宿泊予約」のサイトが並ぶ。調べたい「上高地帝国ホテル」のホームページは上から5番目ぐらいに出てくる。「上高地帝国ホテル」は流石に情報の発信コンセプトが優れているので、まだ見つけやすい。しかし地方の有名旅館で「ホームページ」を外部に委託している場合は、その旅館のホームページは宿泊予約の業者に乗っ取られ、消費者が欲しい情報にたどり着くのは大変である。

 薬の検索も大変である。今や大衆薬の痛み止め「ロキソニン」を検索すると、まず「アマゾン」通販サイトがトップである。「ロキソニンってどんな薬」の項目を調べると「腰痛の通販サイト」に誘導される。正式な薬の公式サイトは10番目ぐらいに出てくる。私は主治医から、薬の検索は十分注意するように言われている。正式な薬剤師の資格がない人が情報を発信しているケースがあるらしい。

 しかし2001年から始まった「ウィキペディア」は今や書き物をするのに必需品である。これはウィキメディア財団が運営しており、編集には誰でも参加できるインターネット百科事典である。昔のように出版社の編纂者が時間をかけ調べたものと比べて情報量が違う。また、疑問があればその道の他の専門家が異議を申し立てるので、時間が経てば経つほど正確なものになってきている。

 ETV特集「辞書を編む人たち」を観た。これは2014年の再放送である。辞書編纂に費やされる膨大な時間と労力の裏話を知った。これは「三省堂国語辞典」の編纂の物語で、たえず流行語、新語を収集している編集者に密着取材している。早速一冊買い、今流行っている「半端ない」を調べた。収録されている。見出し「半端」の項の最後に、『[俗]ものすごい。だだ者でない。1990年代に例があり、21世紀になって広まった言葉。』とある。

 インターネット検索も必要だが、たまに辞書を引くのも楽しい。無人島に本を一冊持って行けるとすれば何。これはロビンソン・クルーソー時代からの永遠のテーマ。今はやはり「国語辞典」がおすすめである。