昨年のアメリカ大統領選挙から「フェイクニュース」という言葉がよく使われるようになった。「フェイクニュース」とは「嘘のニュース」である。インターネットが使われるようになってフェイクニュースが一瞬にして世界を駆け巡る。

 「ナショナル ジオグラフィック」の5月号に「なぜ嘘をつく」と特集していたので読んで見た。以降の統計数字は全て「特集」からの引用である。

 人間はなぜ嘘をつくか。①金のため ②権力を守るため(ニクソン) ③偉大に見せたいため(トランプ) ④悪事を隠すため ⑤データーの捏造(小保方)。嘘をつくのは「正直な対応ではうまくいかないとき」(心理学者 ティム・レバイン)とも分析している。

 また、人はよく嘘をつく反面、騙されやすい特徴もある。そして嘘をつくことは、子供の発達の目安とも言われている。

よく嘘をつく年代の統計がある。「24時間に1−6回嘘をつく」回数 6−8歳 36%、9−12歳 57%、13−17歳 74%、18—44歳 54%、45−59歳 50%、60−77歳 44%。この数字をみれば知能の発達の嘘との相関関係がわかる。77歳を過ぎれば勘定外とはどう考えていいのか。

 米アラバマ大学の心理学者ティム・レバインは「真実デフォルト理論」の中で「人間はもともと他人を信じる傾向があります」「私たちは他人を信じることで、とても多くのものを得ています。それに比べれば、騙された時の損害は大きくありません」

 以上からわかることは、「人はよく嘘をつく」しかし「嘘に対して寛大である」ことがわかる。考えれば自分がよく嘘をつくから、当然他人の嘘に対しても寛大にならざるを得ない。

 三省堂の国語辞典で「うそ」を検索した。「嘘から出たまこと」「嘘も方便」しかなかった。やはり人間は「嘘」に対して寛大である。むしろ「ホラ吹き名人」として一目おかれる人もいるかもしれない。

 前掲載の中に「常習的に嘘をつく人はそれ以外の人よりも前頭皮質の神経線維の量が20%も多い。繰り返し嘘をついた結果、ネットワークが発達した」との研究報告がある。

 我が家の山の神は、「嘘つき純子」と自称する。「頭が良くなかったら嘘はつけないよ。ついた嘘を覚えておかないと嘘がバレル」とうそぶいている。私はよく60年も我慢したと思う。